小さな会社なら、「会社を好きになってもらう」必要はないのかもしれない

社員とは何だろう。

昔の会社員には、なんとなく共通するイメージがありました。

会社を優先する。
上司の指示には従う。
多少納得できなくても仕事だからやる。

「はい、喜んで。」

少し極端に言えば、そんな価値観です。

僕自身、立場としてはかなり経営者寄りです。

日本企業が動きにくくなっている理由の一つに、労働者側の権利や保護が強くなりすぎた部分もあるのでは、とは思っています。

でも、だから昔に戻ればいいとも思いません。

会社のために私生活まで差し出す。

そんな価値観とは、もう決定的に時代が違う。

だったら経営者側も、

「今の社員は昔と違う」

と嘆くのではなく、この時代にどうやったら仕事を当たり前にやってもらえるのか。

そこを考える必要があるんだと思います。

もちろん、大きな会社は別です。

人数が増えれば、経営方針を共有し、同じ方向を見る必要がある。

組織として動く以上、ある程度の価値観や目的を共有しなければマネジメントできません。

僕が考えているのは、もっと小さな会社です。

社長と数人。

顔も仕事も全部見えるくらいの会社。

そこまで小さいなら、少し違う組織の作り方があってもいい。

会社を好きにならなくてもいい。

経営理念に感動しなくてもいい。

社長と同じ夢を持たなくてもいい。

極端に言えば、いわゆる「静かなる退職」に近い人がいてもいい。

定時に来る。

任された仕事をする。

時間になったら帰る。

会社のことは、その後あまり考えない。

それでも約束した仕事をきちんとやってくれるなら、会社として飲み込める。

むしろ、小さな会社にはそんな柔軟さがあってもいい気がします。

そのためには、

分業。

責任の範囲。

誰が何を決めるのか。

何をもって仕事が完了なのか。

ここを明確にしておく必要があります。

「社員なんだから気付いて」

「普通そこまでやるでしょ」

「会社のことを考えたら分かるよね」

そんな曖昧さに頼らない。

会社側も社員の人生まで抱え込まない。

社員側も会社に人生まで預けない。

その代わり、仕事は仕事としてきちんとやる。

小さな会社なら、一人ひとりの温度差まで含めて設計できる。

全員を熱狂させなくてもいい。

静かに働く人もいる。

会社を成長させたい人もいる。

仕事より私生活を大切にしたい人もいる。

それでも、それぞれの役割が噛み合って会社が回ればいい。

人を思想までそろえるのではなく、仕事をそろえる。

社員の人生を会社色に染めるのではなく、責任の境界線を整える。

そして、

普通の人が、
普通に働けば、
普通に利益が残る。

そんな会社を作る。

小さな会社なら、それも立派なマネジメントだと思っています。

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