映画『マトリックス』の伝説的なワンシーン。
モーフィアスを救出するため、目の前にあるヘリコプターを前にしてネオが訊ねます。
「Can you fly that thing?(これ、操縦できるか?)」
トリニティは静かに答えます。
「Not yet.(まだね)」
そしてオペレーターのタンクに電話をかけ、
「B-212 helicopterのパイロットプログラムをダウンロードして」
わずか数秒後。
脳にデータが流し込まれ、トリニティは何食わぬ顔でヘリを操縦して飛び立ちます。
この圧倒的なスピード感と完成度。
これと同じ感覚で、会社の会計や数字が整う未来は、きっとやってくると僕は思っています。
現在のAIやクラウド会計は、まだ「優秀な外付けツール」の段階です。
指示を出せば文章をつくる。
数字を渡せば分析する。
データを連携すれば仕訳をつくる。
ものすごく便利になりました。
でも、僕らが本当に求めているのは、その先です。
必要な知識。
会社の数字。
過去の判断。
社長の考え方。
僕自身の仕事の癖。
それらが必要な瞬間につながり、AIを意識して「使う」ことすらなくなる。
外付けのツールではなく、自分のシナプスの一部になる。
「この処理、できる?」
「Not yet.」
その場で必要な知識を取り込み、会社のルールや過去の処理まで理解して、数秒後には実務で使える。
僕が欲しいAIは、たぶんこれです。
でも、『マトリックス』のあの場面で本当に大切なのは、ヘリコプターを操縦することではありません。
モーフィアスを助けること。
ヘリの操縦は、その目的を達成するために必要になった手段の一つにすぎません。
経営も同じだと思います。
AIを使うこと。
クラウド会計を導入すること。
試算表を早くつくること。
資金繰りを確認すること。
それ自体が目的ではありません。
社長には、その時々でクリアしたい課題があります。
売上を伸ばしたい。
資金繰りを改善したい。
新しい事業を始めたい。
人を採用したい。
会社を次の世代へ引き継ぎたい。
まず、その「モーフィアスを助ける」が何なのかを一緒に考える。
そして、そこへ行くために必要なら、AIでも、クラウドでも、税務でも、融資でも、必要なものを使う。
これからの税理士は、答えを持って待っている専門家ではなく、
社長と一緒に目的地を見つけ、そこまで一緒に行く存在になるのかもしれません。
AIが僕らのシナプスの一部になれば、そのために使える武器は一気に増える。
だから今、この変化が面白くて仕方ありません。
金田崇志税理士事務所 × グーチョキ会計株式会社も、AIやクラウドを導入すること自体を目的にはしません。
社長が本当にクリアしたい課題は何なのか。
そこを一緒に考え、必要な道具を使いながら、目的地まで一緒に進む。
そんな税理士事務所でありたいと思っています。
