「整える」は、お客様が買う価値ではなかった

昨日、ホームページの打ち合わせをしました。

ここ最近、自分の事務所が何を提供しているのか、AIとかなり壁打ちしてきました。

15年間やってきた仕事を振り返って、中心に置いていた言葉が、

「整える」

でした。

資料を集める。

クラウド会計を運用する。

数字を確認する。

間違いを直す。

毎月の試算表を作る。

資金繰りや銀行対応にも使える数字にする。

単に記帳して申告書を作るのではなく、

「会社の数字を、経営に使える状態に整える」

これが自分の仕事だと思っていました。

自分では、かなり納得していました。

でも昨日、税理士業界とは違う仕事をしている若い人に見てもらったら、ものすごく単純なことを言われました。

「整えるのは分かる。でも、それでお客様に何がいいんですか?」

なるほど。笑

同業者なら「数字を整える」で、だいたい何をしているか分かります。

でもお客様からすれば、

「それで自分はどうなるの?」

が知りたい。

ここで一段整理できました。

「整える」は間違っていない。

むしろ、今でもかなり気に入っています。

ただ、

これはお客様が買いたい価値そのものではなく、

その価値を作るための、こちら側の技術だった。

数字を整える。

クラウド会計の運用はこちらで持つ。

社長自身がfreeeやマネーフォワードを使いこなす必要はない。

経理に使う時間は減る。

でも、会社の数字は毎月見える。

必要なときには、会社のことを知っている税理士本人に直接聞ける。

ここまで行って初めて、

「会社が成長しても、経理まで忙しくならなくていい。」

がお客様側の価値になる。

もう一つ出てきたのが、

「経理は任せる。でも、数字は見える。」

という状態。

昔ながらの丸投げだと、経営者は楽になる反面、数字からも離れやすい。

逆にクラウド会計を入れて、

「社長、自分で使ってください」

では、結局仕事が増える。

だから運用はこちらで持つ。

でもクラウドなので、必要なときには見える。

この中間に、実は自分たちの価値があったんだと思います。

そして、効率化するほど逆に残したいものもはっきりしました。

作業はAIやクラウドで減らす。

でも、

税務判断。

相談。

会社の経緯を知ること。

経営者との関係。

ここまで仕組みに逃がしたいわけではない。

だから、

「会社のこれまでを知っている税理士が、これからも見る。」

ここは残す。

昨日いちばん面白かったのは、

AIと何度も壁打ちして、自分ではかなり深く考えたつもりだったものを、

業界を知らない人の

「それって、お客様にとって何がいいんですか?」

という一言で壊してもらったこと。

AIで深く掘る。

外の人に違う角度から見てもらう。

また考える。

この組み合わせ、結構面白いです。

15年間の集大成だと思っていた「整える」は、捨てる言葉ではありませんでした。

ただ、役割が違った。

「整える」は、売る価値ではなく、価値を実現するための技術だった。

昨日いちばん大きかった気づきは、たぶんそこです。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA