先日、お墓参りの途中に立ち寄った道の駅。
そこで見かけた一枚の貼り紙。
毛筆で、
「事業承継
引継
募集中」
ものすごくシンプル。
でも、妙に目に留まりました。
僕らの業界にいると、
M&A。
企業価値評価。
株式譲渡。
事業譲渡。
債務の引継ぎ。
税金。
仲介手数料。
最近では詐欺的な案件やトラブルの話まで。
もちろん、実際に事業を引き継ぐとなれば、確認しなければならないことは山ほどあります。
僕自身、M&Aという言葉を営業の方から聞く機会も増え、正直少し食傷気味でした。
でも、この貼り紙を見て思いました。
本当は、入口くらいもっとフランクでもいいのかもしれない。
「この商売、誰かやりませんか?」
「興味がある人、いませんか?」
テナントの「入居者募集中」くらいの感覚で、まず次にやってくれる人を探してみる。
そこから話を始めてもいい。
特に中小企業や小さなお店には、
ものすごく高い値段で売れる会社ではなくても、
常連のお客様がいる。
地域で必要とされている。
長年培った技術がある。
仕入先との関係がある。
設備もある。
そして何より、まだ続けられる商売がある。
そんな事業がたくさんあると思います。
後継者がいない。
だから廃業する。
それだけでは、あまりにもったいない。
もちろん、実際に引き継ぐ段階になれば話は別です。
資産と負債。
契約関係。
従業員。
許認可。
税金。
保証や借入。
引継ぎ後の資金繰り。
ここは専門家も入り、一つずつ丁寧に確認しなければいけません。
でも、難しいのは出口までの手続きであって、入口まで難しくする必要はない。
「誰か、この商売をやってくれませんか?」
そんな一言から始まる事業承継が、もっと普通になってもいいのかもしれません。
M&Aという立派な名前を付けた途端、なんとなく大企業の話に見えてしまう。
でも「商売を次の人に引き継ぐ」と考えれば、昔から地域で行われてきたことでもあります。
金田崇志税理士事務所 × グーチョキ会計株式会社も、会社を大きくすることだけではなく、社長が大切に育ててきた商売をどう次につなぐか、その数字や課題を一緒に整えていきたいと思っています。
道の駅の毛筆の貼り紙。
「事業承継 引継募集中」
難しく考えすぎていたものを、一度シンプルに戻してくれた気がしました。
